スポーツ英会話
プロフィール
三宅 義和
株式会社イーオン・イースト・ジャパン 代表取締役社長
今やジュニア世代も海外遠征やスポーツ留学が当たり前の時代。海外での選手同士のコミュニケーション力をスポーツ英会話で。
http://www.aeonet.co.jp
株式会社イーオン・イースト・ジャパン 代表取締役社長 三宅 義和
【取材】英語をマスターして、海外で活躍して欲しい

スポーツ界では、日本人選手の海外進出が当たり前のこととなった。
TVや新聞などの報道で、彼らの活躍を見ない日はない。
その成功のカギの一つが、言葉と文化への適応だ。
海外で英語を話せること、文化を理解することの大切さについて、㈱イーオン・イースト・ジャパンの三宅義和社長にお話をうかがった。
㈱イーオン・イースト・ジャパン
代表取締役 社長
三宅 義和
スポーツ選手にとって英語が必要な理由
最近のスポーツ界では、日本人選手が海外へ進出したり、海外の選手が日本へやってきたりということが、日常的になっていると思います。
そのときに必要な言葉は、やはり英語でしょう。
スポーツ選手が英語を話せるようになると、たくさんのメリットがあります。
○不安を解消し、実力を発揮できる
野球選手のメジャー進出のように活躍の場を海外に移す場合はもちろん、オリンピックや世界選手権といった海外遠征でも、英語が話せないことは不安につながり、ストレスとなります。
まずその土地に慣れることがよい結果を残すための鍵だと思いますが、言葉が話せないと、慣れようがありません。
食事をとることひとつをとっても、「どうやって注文したらいいんだろう?」と不安やストレスを感じてしまうことになりかねません。
オリンピックでも、選手村では周りに日本の選手がいるからリラックスできていても、一歩外へ出たとたんにアウェイの雰囲気にのみこまれてしまうことになるでしょう。
○情報収集ができる
英語が理解できると、いろいろな情報が収集でき、状況がわかるようになります。
例えば「試合会場が変更になった」「今日の審判は○○さんだ」といった情報は、知らないと不安につながります。
○コミュニケーションが取れる
英語ができれば、チーム内でのコミュニケーションがとれるようになります。監督やコーチの言葉やアドバイスが聞き取れれば、お互いの理解も深まるでしょう。
試合前の審判を含めたミーティングなどにおいても、英語でコミュニケーションが取れれば、お互いの信頼が深まります。
○自分の言葉で伝えられる
英語が話せれば、試合後のインタビューなどでも自分の言葉で自分の考えを表現できます。
その方がファンにも気持ちが伝わります。
日本で人気のある外国人スポーツ選手は、カタコトの挨拶でも、なんとか日本語で話そうと努力する姿勢が人気の理由のひとつでもあるでしょう。同じように、メジャーリーグの日本人選手が英語でインタビューに答えると、その気持ちがファンへ十分に伝わるのだと思います。
「郷に入りては郷に従え」。現地の言葉で話すことが、受け入れてもらうための秘訣です。
このように、英語が話せるメリットはたくさんありますから、ぜひ英語をマスターして世界を舞台に活躍して欲しいと思います。
まず文化を知る
英語を勉強するにあたって、まず知っておいたほうがよいことがあります。
それは、文化の違いです。日本には日本人の文化や考え方があり、アメリカをはじめ海外には海外の文化や考え方があります。まずは根底にある文化や考え方を学びましょう。
例えば、日本は「一歩引く文化」です。相手に対して敬意を払い、一歩引いて自分を小さく見せるのが美徳とされています。また、相手を思いやり、相手の考えを察することができます。
それに対して欧米は、「一歩前へ出る文化」です。相手に対して一歩前へ出て、自分を大きく見せようとします。相手を察するというよりは、言いたいことがあればお互いに堂々と主張することが多いようです。
文化は、言葉のアクセントにも表れています。
日本語では「私の名前は一郎です」と平坦に言いますが、英語では「My name is David」と「name」と「David」を強調します。
言いたいことを強く言い、主張するのです。
また、文化は動作にも関連します。
日本では相手の前でお辞儀をします。
相手の前で頭を下げることで「いつ刀で首を切られてもいいですよ」と信頼を表すのです。
欧米では相手と握手をします。手の平を見せることで、「何も武器は持っていませんよ」と信頼を表します。
これは、どちらの文化が「良い/悪い」ということでは
なく、「違う」ということです。世界には自分たちの言葉や文化、考え方だけではなく、違う言葉や文化、考え方があるということを知ることが大事です。
小さい頃から英語を学ぶと良いといわれるのは、子供は違う言葉や文化があるということを偏見なく受け入れられるからです。
「英語ではこう言う」という言葉だけでなく、その文化まで理解していると「なぜそう言うのか」ということまでよくわかります。ですから英語をマスターする前に、まず文化を理解することが大事です。
それは何も難しいことではありません。
文化の違いを理解し、積極的に一歩前へ出て、間違いを気にせずに堂々と話す。
そうすれば、英語はうまくなります。
英語で主張することの大切さ
文化の違いで、私たち日本人は相手を察しようとする傾向がありますが、欧米ではその傾向は強くありません。ですから、スポーツでも仕事でも、一歩前へ出て自分の考えを英語で主張することがコミュニケーションの重要な鍵となります。
日本人特有の「一歩引いて察する文化」は、海外ではともすると「おどおどしている」「何を考えているのかわからない」と言われてしまいます。しかし、「それが日本の文化だ」ということを英語で堂々と主張すれば、彼らは理解してくれます。
スポーツの国際試合でも、英語で主張することが大切です。
スポーツの場は戦いの場であって、相手を察して謙虚に振舞う場ではありませんから、日本人の文化は通用しないのです。
海外では、「言わない」=「異議がない」と判断されてしまいます。異議があれば、その場できちんと主張するべきなのです。
主張しないと、ルール自体もどんどん日本に不利な方向に変えられてしまいます。
決定に対して文句を言わず、黙々と努力する。それは日本人の美徳ではありますが、海外の選手を相手に戦う時は、それだけでは通用しません。
英語もスポーツも基本が大事
スポーツ選手に限ったことではありませんが、英語を身につけようとするときには、やはり基本が大事です。
英語の基本構文は、中学の教科書にすべて出てきます。
中学レベルの教科書や参考書を使って、基本構文を徹底的にマスターすることをお薦めします。
中学レベルの基本構文を100回、200回繰り返せば、英語は話せるようになる。これが私の持論です。
ところが、「英語ができない」とあきらめている人は、5回、10回しか繰り返していません。
スポーツ選手でも、一流選手になればなるほど基本練習を繰り返すはずです。
基本のテキストがボロボロになるくらい繰り返せば、英語はうまくなります。
そして、基本を徹底的にマスターしてから、次に自分の専門分野の単語などを覚えていけば、さらにうまくなります。
その基本練習は「読む」「聞く」だけではなく、
「声に出す」ことがとても大切です。
聞き流すだけでは、話せるようにはなりません。
ゴルフを始めた人が、ビデオでスイングを見ただけで上手くなりますか? やはり自分でスイングの練習をしなければうまくなりません。それとまったく同じです。
日本人にとって、英語は「読んで理解する勉強科目」になってしまっています。
学校のテストでは「?」を付け忘れただけで「×」になり、間違ってはいけないもの、人から評価されるものになってしまっています。だから外国の人と話すときにも、何かテストされているような気持ちになってしまい、心にカベができてしまうのです。
「英語を読んで理解できる」ことと「使える」ことには、大きな差があります。英語は「勉強する科目」ではなく、「実技」なのです。
英会話のテキストを見て、「こんなのわかるよ、簡単だ」という人がいますが、これは大きな間違いです。「こんな簡単なものではなく、もっと難しいものを覚えたい」と思って難しいものに挑戦する人がいますが、その結果それができなくて、挫折してしまうことが多いようです。これではいつまでたっても英語をマスターできません。中学レベルの英会話でも、ネイティブスピーカーとナチュラルスピードで会話するのはとても難しいものです。難しいことばかり求めて、基本をないがしろにしてはいけないのです。
わかるかどうかではなく、使えるかどうか。
「習ったこと」を「実際に使える」レベルにするには、やはり実技として基本練習を繰り返すしかありません。
そのためには「初心」と「基本」を混同しないことです。
野球のバットスイングの仕方を習うのは、「初心」。素振りの練習を繰り返すのは、「基本」です。
基本は、一流になっても訓練として続けなければならないもの。
基本はそれほど大事だということを忘れず、英語をマスターして欲しいと思います。
<取材・構成=スポーツライター 佐伯 要>
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