スポーツトレーナー
プロフィール
高島 誠
スポーツトレーナー
本場メジャーリーグでのトレーナー経験を生かし身体の構造とプレーの動きの
メカニズムをしっかりと繋げてトレーニング指導。
http://www.macstrainerroom.com/
トレーナー 高島 誠
トレーナー高島 誠 スライドショー
【取材】未来の大選手たちを正しいトレーニング指導でサポートしたい

Mac’s Trainer Room 代表
高島 誠
<プロフィール>
広島商業高校野球部時代の怪我によりトレーナーを志し、1999年に四国医療専門学校に入学。卒業後、2001年よりオリックスブルーウェーブ(現オリックスバファローズ)にトレーナーとして入団。2002年にアリゾナフォールリーグでの短期トレーナー研修に参加し、2004年にオリックスを退団して単身渡米。メジャーリーグのワシントン・ナショナルズでの2年間のインターンシップトレーナーを経て、2007年に正式採用となる。そのオフシーズンより、広島に野球肩・肘専門のMac’s Trainer Roomを開業。現在は広島を拠点に全国各地で主に野球選手のためのトレーニング・コンディショニングの指導を行なっており、プロ野球選手などのトップアスリートから小中高校生、大学生、一般の方まで幅広くサポートしている。
ケガでスポーツをあきらめる選手を出したくない
――高島さんがトレーナーになった理由を教えてください。
私は高校球児として甲子園を目指していました。でも、ケガで選手生活を断念せざるを得なかったんですよ。
1年生の秋の大会終了後に「毎日1000スイング出来た選手は夏の大会でベンチに入れる」と言われて毎日スイングしていました。そうすると、だんだんと手首が痛くなり、その痛みが引かずに悪化していったんですね。
でも「痛い」と言い出せずに我慢してやっていたら、とうとう左手首の靭帯を断裂してしまいました。
それで、「自分のようにケガでスポーツをあきらめる選手を出したくない」と思い、専門学校に3年間通いました。
専門学校を卒業して、オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)にトレーナーとして採用された時には、「あこがれの舞台で仕事ができる」という感動がありましたね。
――その後アメリカに渡られたのは、どういう気持ちからだったのですか?

2002年にアリゾナフォールリーグでの短期トレーナー研修に参加したり、メジャーから帰国されてオリックスに入団した吉井理人さん(現・北海道日本ハムファイターズ投手コーチ)やマック鈴木さん(現・関西独立リーグ神戸サンズ選手兼任監督)と出会ったりするうちに、だんだんメジャーへの憧れが強くなりました。それで「アメリカでどれくらいやれるのか」、「自分自身の力がどんなものか」というのを試したくて、2004年でオリックスを退団しました。そして、当時ワシントン・ナショナルズに所属していた大家友和さん(現横浜ベイスターズ)の紹介で、2005年のシーズンからメジャーリーグのワシントン・ナショナルズで働き始めたんです。
――ナショナルズでは、最初の2年間は無給で働かれたそうですが、その時はどんな気持ちだったのですか?
ビザの関係で給料がなかなかもらえなかったのですが、選手たちも私を評価してくれていましたので、充実した仕事ができていました。
多くの選手が感謝の気持ちとしてチップをくれていましたので、金銭面は困らなかったですね。
――ナショナルズでは「ゴットハンド」と認められ、2007年に正式採用されたそうですが、具体的にどんなところを評価されたと考えておられますか?
自分が選手にアプローチをする事で痛みが取れたり、動きが良くなったりした事を評価してもらったんだと思います。
あるベテランの選手は「若い時の動きに戻ったよ」と言ってくれましたね。
アメリカ人なので、表現が大袈裟のようにも思いますが(笑)
――日本人選手の専属ではないトレーナーがメジャーで契約するのは、高島さんが初めてですよね?

そうだと思います。
ただ、通訳もいないし、契約の交渉等も自分で行わないといけなかったので、時間はかかってしまいました。その間にはメジャーに来る日本人選手の専属トレーナーの
話もあったのですが、初心を曲げずに契約にこぎつけました。何度も「もう無理かな」と思う事はありましたけど、正式採用が決まったときには、「やっとか」という達成感がありましたね。
――日本とアメリカでトレーナーの立場やその考え方など、違う点があれば教えてください。
日本では指導者が強い立場にありますが、メジャーでは選手が大事にされています。
ですから、その選手を守る立場であるトレーナーも守られている、といった感じでしょうか。
選手のケガに対する考え方も日本と違い、メジャーでは合理的で、無理はしませんね。
ケガを治すだけではなく、ケガをしないように指導したい
――広島を拠点に活動を始めたのは、どういう思いからですか?
メジャーで働いていた時もオフシーズンには帰国し、日本のプロ野球選手だけでなく、少年野球や高校野球の選手たちのサポートも行なっていました。
そんな活動をしているうちに、「自分はケガで野球選手を続けることができなくなり、とても悲しかった。一人でも多くの子供たち、若い選手たちに野球を続けてもらいたい」と強く思うようになったんです。
日本では、小さい頃から一つの競技だけに集中する傾向が見られ、特に野球においては肩や肘を10代前半で痛めてしまうケースも多いと思います。野球を続けるには致命的です。これは本人にとってはもちろん、日本の野球界にとっても大きな損失です。
そう考えたとき、プロ野球選手やメジャーリーガーといったトップアスリートのサポートも大切だけど、未来の大選手たちへの正しいトレーニング指導やサポートは、もっと大事だと思い至ったんです。
――具体的には、どんな活動をされているのですか?

やはり、スポーツのレベルアップを図るにはジュニアの育成が重要です。ケガによって競技をあきらめるような子供を出さないために、自分でケガの予防ができるアスリートを育成したいと考えています。そのために専門のスポーツドクターや競技指導者とも連携を図りながら、治療と運動療法をあわせた独自のスタイルを確立しました。
――「治療と運動療法をあわせた独自のスタイル」というのは、どんなことをするのでしょうか?
わかりやすく言いますと、コンディショニングやアスレティックリハビリテーションを応用したものです。それを選手が現場に戻っても自分自身で出来るように教えています。
身体の構造も少しずつ理解してもらい、自分の身体を理解してもらいます。
そして「どうしてケガをしたのか」という原因も理解してもらって、今後ケガをしない為にはどうすべきか? どんなメニューを行なうとよいのか? 今まで行っていたメニューの中での問題点は?といったことなども見直します。
歩き方、走り方、投球動作に問題があれば、フォームを直すのではなく、身体の使い方を直すことでのアプローチも行います。
マッサージなど何かをしてあげることで治すのではなく、どうしたら治るのかを理解してもらって自分で出来るようになってもらいます。
――従来の「治療院」とは違う役割なのですね。
全てのプログラムを独自に作成し、従来の治療院とは違う「トレーナールーム」として競技復帰までを総合的にサポートします。
また、ケガをしてしまう前の正しいトレーニング方法の指導も重点的に行なっていきます。
靭帯、骨、筋肉などを痛めた場合、医学的にも修復にはある程度時間がかかります。
でも、痛みだけをとってプレーを続け、余計にひどくなった経験はないですか?
わたしたちは、無理のないリハビリプログラムに沿って治療やコンディショニングを行い、確実な競技復帰を目指しています。
「痛くないからもう大丈夫」ではなく、「なぜ痛めてしまったのか」、「同じ事を繰り返さない為にはどうしたら良いか」を考え、復帰後には更にレベルアップした選手になって欲しいですね。
――ケガをしないようにするには、まずどんなことに気を

つければいいのでしょう? 今の小中学生、高校生にアドバイスやメッセージをお願いします。
まずはストレッチからでもいいので、習慣化して欲しいですね。特に股関節の動きが悪いとケガをする動きにつながりやすいです。
股関節の内旋・外旋が、理想を言えば45度の角度をキープできる柔軟性を身につけて欲しいと思います。
――それでもケガをしてしまったら、何をどう考えればいいのでしょうか?
早急に専門家に相談する事をおすすめします。もちろん、私に連絡してくれても良いです。
素人判断ほど怖いものはないですからね。
自分もそうでしたが、多くの選手が「これくらい大丈夫だろう」ということが、取り返しのつかないケガまで進行してしまうんです。
決して一人で悩まないようにして欲しいですね。
――最後に、トレーナーを志す人に高島さんからのアドバイスをお願いします。
まずはトレーナーになろうと思った初心を忘れないでください。
そして、「まだ出来ない」ではなく、「何が出来るか」を考えられるトレーナーになってください。
*高島誠さんのブログはこちら
http://blogs.yahoo.co.jp/littlemac0042
*Mac’s Trainer Room のホームページはこちら
http://www.macstrainerroom.com/
